無条件降伏▼

自殺を目論んでいたがそれすら手放した粗悪品

第十二話

 

職務放棄したい。
何より自分の無能さを改めて実感するので割と本当に辛い。

 

ストレスなのか、ここの水が体に合わないのか、仕事のしすぎなのかは分からないが、
日常生活に支障を来す程度には掌と指の皮がベリベリ剥がれてきてめちゃくちゃ痛い。
食器も洗えなくて1週間近く溜めてるし、仕事も上手くこなせない。ただでさえポンコツなのに。

 

全知全能 とか すべてをしるもの とか。
に、なりたい。な。

 

何をしても何もできない。
何ひとつ終わらない。
もう終わらせたい。
それすら出来なかったら本当に何もできないじゃないか。
優しい死なんて無いのだろうから。
飲み下して幕引きたい。
ゆめみたいなおはなし。
何千年かかってもいいから、いつか、知ってほしいな。でも、まだ、気づかないでほしいな。
涙が出そうなほど愛おしいのに、何も無いの。
何も無いよ。
だから、もう、何も無いの。
私。私。
何ひとつできない私の、夢みるエピローグとは?
もう主張できることも見つからなくなって。
存在を限りなくゼロにしたくて、
その試みが何より異質だからと浮き出てしまう。
閉ざしたいな。

 

体から離れた人間は痛覚は無くなるのかな。

つらいことはあるのかな。

好きなものは覚えているのかな。

私の最期の日っていつなのかな。

訃報を告げる電話を受けて、何かを考えたり思ったりする前に、不思議な感じがあった。

その人はいないよって言われても、「え、いるじゃん。」って感じ。

 

あの世で再会なんてあるのかな。

意識と肉体を手放すイメージしか無いな。

宇宙に解けて、最初と最後が消えていくのかな。

 

残念ながら私は私が何を好きなのか何が嫌いなのか何が得意なのか何ができるのか何が食べれないのか何が欲しいのか何も分からない。

何も分からないことすら分からなくなる。

 

一度だめになってしまおうかな。

そしたら死ぬイメージはつきそうだけど、

きっと悲しむ人がいるな。

悲劇を生みたいわけでは無いのに

最終回のその瞬間に向けて生きられたらいいのにな