無条件降伏▼

自殺を目論んでいたがそれすら手放した粗悪品

自己投資への罪悪感

 

自分にお金をかけるのは苦手だった。

 

そして今私は希有な休暇を満喫するべくショッピングに来ている。

 

ペンポーチを見ては、あの人からもらったペンポーチを思い出す。

白ヴィンより黒ヴィンに好みが変わって来たのはあの人のせいだとかは思いたくない。

 

※白ヴィン=白っぽいヴィンテージ。フレンチカントリーなど。(なお私の造語)

※黒ヴィン=黒っぽいヴィンテージ。男前やブルックリンスタイル。(なお私の造語)

 

陶器の小さな箸置きを見つけた。

あの人が好きそうだ。

プレゼントしたいなって思った。

 

ふと、「幸せになってね」って、気持ちがよぎった。

 

今までそんなこと思ったことなかった。

いや別に不幸になれとか思ってたわけじゃないし、幸せでいて欲しかったけど、なんていうか、私と一緒に幸せになって欲しかった。

 

でも少しだけ、

私がいない世界で、幸せになってねって気持ちが、生まれた。

 

まだ、うまく失恋し切れてないみたいだけど。

 

この恋と心中するんだ、なんて思ってたけど。

 

いつか本当に、本当の卒業ができたら。

この業から、手を離すことができたら。

 

そんな日を手繰り寄せたくて、必死に自分が好きなものを探してる。

私の好きなものいっぱいでこの部屋を埋め尽くしたら、私はようやく私で満たすことができるのかな。

まだそこに生体反応を喚び起こす破片があったとして、私は、自分が幸せだと、これでよかったと思える方向へ往けるのかな。

 

延髄反射より速くあの人の面影を拾いたがる海馬に、扁桃体に、

どうか鎮魂歌を。

 

 

 

 

救って欲しいなんて、思ってないよ。だけど少しだけ、寄り掛かりたい。かな。

きっと君にも何かあるのかなって、何となくだけど思ってる。

言葉にしなくても、共通認識にされなくても、いいよ。

汚い部分をおずおずとリビングに広げたいな。

唯一の私の生きる道。

 

自分を金銭的に肯定することで、私を保っている。

それがもう少し、選択肢が増えますように。

玄関の靴が増えますように。