184
もういやだ。
また今日も何もこのままだ。
片目が見えなくなるまで横臥して、眠れなくなるまで淀んだ呼気を掻き回してる。
呆れた。
手酷く扱われたい。希望を持ちたくない。胃に穴を開けたい。見捨てられたい。自分を見限りたい。
数週間前の食器の地層が腐っていく。
足の裏にいろんなものが刺さる。
つい昨日の記憶すら音も立てずに融けていく。
食事も服薬も睡眠も風呂も歯磨きも、顔を洗うことさえままならなくなって、こんな奴にお金かけたくないのに、
暖房を消すと震えが止まらなくて、電気がないと三歩も歩けなくて、一丁前に腹だけは空く。
せめてせめて、死んだら何もなければいいな。
知覚から解放されたい。
もしくは。その時に私の自我がまだあるかは分からないけど、宇宙の一部になりたい。
生前ろくなことをしてない私だから、天国や地獄が存在するのならきっと地獄に行くのだろうけど。
記憶をリセットしてまた苦しみが生まれるのかもしれないけど。
また何もできないまま朝になる。