無条件降伏▼

自殺を目論んでいたがそれすら手放した粗悪品

別室

また夏がくる。

たくさんの私を殺してきた夏が。

 

さて、今年の夏をどうやって迎え撃とうか。

 

あいみょんはロック聴いて恋を乗り越えてきたけど、私は、私は?

 

失恋が完成しないまま何年が経った?

箱庭を失ってから何年が経った?

 

シェルターはもう作れない。

箱庭を巻き戻すことは出来ない。

 

今の私はただひとつのしがらみに寄り掛かってそれだけで私を継続している。

 

キャストが散らばる。過去が拡散していく。

記憶が黄色く焼けていく。

 

あの日の演習室を再構成することが出来ないのなら、違う形のものを、罪滅ぼしの彼女を、準えた三人組を、年齢も住む場所もバラバラの彼女らを、ひとつ、私の、お部屋にしよう。

 

代わりにもならないかもしれない。

けど外枠だけでも縋っていないと、夏の濁流に殴り殺されてしまう。

 

体はどうだっていい。けど心は殺されたくない。

 

最期まで自我を持ったまま死にたい。