無条件降伏▼

自殺を目論んでいたがそれすら手放した粗悪品

休日恒例


現在、水曜日と木曜日に休みをいただいている私は、ただいま休日真っ只中なわけなのだが。

休日が苦手だ。

何をすればいいか分からない。

いっそ給料はいらないから仕事をしたい程度には自由時間が苦手だ。


というか昔から自由というものが苦手だった。

自由という鎖?だったかな。そんなことを言った哲学者がいたらしい。


平日の真ん中に休みをもらっても、友人と会えるわけでもなく、かといって何処かへ出かける用事もない。


こういう日はじわじわと足先が冷えていき、死にたい気持ちも再加熱するのである。


仕事をしてる時は仕事のことしか考えられない小容量な脳みそなので、助かっている。

むしろ出勤日の休憩時間も休憩室で仕事をしているし、ワーカホリックなのかもしれない。


拒食症やらモデルさんやらは、30キロ台になっても生きていられるから、それよりも痩せないと餓死は難しいのだろうな。

後遺症にだけはなりたくない。

だって後遺症が残ったら、自殺すらできなくなるのだ。

一度きりで成功させてないといけない。


去年友人にバンジージャンプに誘われた。

(飛び降り自殺の予行練習になるかも)と不純な理由で同行した。


結果。

飛び降り自殺を既遂した人は、とてつもなく強い思いで自殺したか、

もしくは死に対する恐怖が全くなかったかのどちらかだと思う。


(死ぬ気になれば何でもできるっしょ〜飛べばいいだけだし〜)

と思っていたが、そう甘くはなかった。


私「高さは何メートルくらいですか?」

係員さん「25メートルちょいかな」

私「プールくらいですね。いけるわ」

係員さん「7階建てくらいです」

私「あ待ってそれ聞いたら飛べなくなりました」


飛び降り自殺するとしたらこれより高い場所から落ちるのだ。無理!無理!と私は手すりに掴まったまま5分くらいずっと叫んでいた。


「後ろ向きで飛ぶといけますよ。」

ほう。いいことを聞いた。背中を向けて身を乗り出す。

しかし見えないのもなかなかに怖い。25メートル下では先に飛んだ友人が早く飛べと叫んでいる。


喚きすぎて朦朧としてきたあたりで、私は手すりからゆっくり手を離した。


ふわっとした気味の悪い浮遊感と、その一瞬後に来る恐怖感。

足場が視界の上の方にみるみる離れていって、「あっやべ、落ちてる」と思った。


髪が顔面を叩きつけて風を裂く音がした。

人間が落下する時は頭から落ちるというけど、たぶんあれは相当な高さから落ちた時を言うのだと思う。

私は直立から45°くらい後ろに倒れた、何とも格好のつかない姿勢で落下した。

なるほど。半端な高さから飛び降りても死ねないのは、こういうことか。とか呑気に考えてた。まあめちゃくちゃに叫んでいたけど。


自殺予行練習は終わり、私は飛び降りは向いてないなと改めて思いながらソフトクリームを食べた。おいしかった。